OPEN MOUTH
幸せを取り込む。
口を開けたシーサーは、外から幸せを迎え入れる存在として、私たちは分かりやすくお伝えしています。
SHISA PLACEMENT & INSTALLATION
玄関、門柱、屋内、屋根。大切なのは方角だけではなく、「ここで見守ってほしい」と思える場所に迎えること。沖縄でシーサーと暮らしてきた、しまんちゅ工房の考えをまとめました。
玄関・門柱・室内など、暮らしに合う場所へ。
しまんちゅ工房では、向かって右に口開き、左に口閉じ。
人の出入りや家族が目にする方向を大切に。
重量・設置面・風雨に合わせた施工が必要です。
Before placement
「必ずここへ置かなければいけない」
という決まりは、ありません。
僕は、祖父と父がシーサーをつくる環境で育ちました。家業は1950年創業の赤瓦工場。小さい頃から焼き物とシーサーが、特別なものではなく暮らしの中にありました。
長くシーサーを販売し、たくさんのお客様の玄関や門柱、室内への設置にも関わってきました。その中で、以前より強く感じるようになったことがあります。
1950 → Today
創業当時の工場の風景と、現在の制作風景。置き方をお伝えする前に、しまんちゅ工房がどんな時間を歩んできたのかも感じていただけたら嬉しいです。
祖父が営んでいた工場の写真です。焼き物とともにある暮らしは、ここから現在へ続いています。
作ること、届けること、そして設置すること。受け継いだものを、今の暮らしへつなぐシーサーとして一体ずつ仕上げています。
シーサーの置き方は、誰かが決めた一つの答えに自分の暮らしを合わせるものではない。
屋根に一体だけ置かれるシーサーもあれば、門柱に一対で置かれるシーサーもあります。室内で家族のそばに置かれる小さなシーサーもあります。沖縄のシーサーそのものが、長い時間の中でいろいろな形や役割を受け入れながら暮らしに根づいてきました。
ですからこのページでは、「絶対の決まり」ではなく、しまんちゅ工房が長年シーサーと暮らし、お客様と接してきた中で考える「気持ちのよい置き方」をご紹介します。
A pair of guardians
左右の置き方には地域や作り手によってさまざまな考えがあります。ここでは、しまんちゅ工房がお客様へご案内している置き方をご紹介します。
一対のシーサーを正面から見たとき、しまんちゅ工房では、向かって右に口を開けたシーサー、左に口を閉じたシーサーを置く形をひとつの基本としてご案内しています。
ただし、これを「間違えるといけない」というルールにはしていません。作品そのものの向き、設置スペース、作り手の意図によって、自然に見える並びを優先してもよいと考えています。
OPEN MOUTH
口を開けたシーサーは、外から幸せを迎え入れる存在として、私たちは分かりやすくお伝えしています。
CLOSED MOUTH
口を閉じたシーサーは、迎えた幸せを大切に守り、外へ逃がさない存在としてお伝えしています。
ここでの「幸せを取り込む・幸せを逃さない」は、難しい説明を押しつけるのではなく、シーサーを初めて迎える方にも暮らしの中で親しんでいただけるよう、しまんちゅ工房が大切にしている伝え方です。
Direction
「鬼門の北東へ向けた方がいいですか?」というご質問をよくいただきます。
北東へ向けるという考え方もあります。ただ、しまんちゅ工房では、すべてのシーサーを必ず北東へ向けなければならないとは考えていません。
僕が大切だと思うのは、「どこを見守ってほしいか」です。
玄関・門柱
家の入口や道路、アプローチなど、人が出入りする方向を意識すると自然です。家の外から訪れるものを迎える守り神として置きます。
室内
リビング、玄関棚、床の間など、毎日の暮らしの中で自然に目が合う場所がおすすめです。
毎日ふと目に入り、「今日も見守ってくれているな」と感じられることも、守護神と暮らす大切な意味だと考えています。
Outdoor placement today
昔ながらの門柱は、今もシーサーによく似合う場所です。ただ、家のつくりが変われば、守護神の居場所も変わっていい。現代の住宅に合う屋外設置を考えます。
沖縄では、ブロック塀で敷地を囲み、入口の左右に門柱をつくって、その上へ一対のシーサーを置く。そんな風景が長く親しまれてきました。
もちろん、この置き方は今も素敵です。ただ、しまんちゅ工房が設置現場を見てきた実感では、住宅の外構は少しずつ変わっています。大きなブロック塀や左右一対の門柱を設けず、機能門柱、表札、宅配ボックス、低い外壁、玄関ポーチやアプローチで入口をつくる家も増えました。
だから、「門柱がないからシーサーを置けない」と考えなくて大丈夫です。今の家には、今の家に合った守護神の居場所があります。
道路との境界に門をつくり、一対のシーサーを高い位置へ。沖縄で長く見られてきた、分かりやすい屋外設置です。
門柱の有無にこだわらず、家族や来客が通る入口で、自然に目に入り、安全に固定できる場所を選びます。
県外のお客様のInstagram事例から
Instagramで県外のお客様と地域が明記され、屋外への設置まで確認できる最近の事例を見比べると、共通していたのは、昔ながらの大きな門柱よりも「家の入口で一番目に入りやすい場所」でした。まだ統計と呼べるほど事例数は多くないため「全国で最も多い」とは断定しませんが、現代住宅の見本として、とても参考になるパターンです。
大阪府 O様|表札・機能門柱の上
大きな門柱ではなく、現代的な住宅の表札・宅配ボックスまわりへumiシーサーを設置。限られた幅でも、家の入口の“顔”になる場所なら、守護神の居場所になります。
Instagramの設置事例を見る →東京都 M様|新しい家の入口
新居の入口へ一対を迎えた事例です。最初から場所を決めつけるのではなく、実際の家を見ながら、ご家族が「ここで見守ってほしい」と感じる場所を選んでいます。
Instagramの設置事例を見る →置き方が変わっても、守護神として家族を見守ってほしいという気持ちは変わりません。伝統をそのまま固定するのではなく、今の暮らしの中へつないでいく。僕はそれもシーサー文化の継承だと考えています。
Safe installation
門柱でも、表札まわりでも、低い壁でも。屋外は「置くだけ」ではなく、作品の重量と設置環境に合わせた安全な固定まで含めて考えます。
砂、ほこり、油分、苔などを取り除きます。水洗いした場合は、十分に乾燥させてください。
屋外用で、陶器とコンクリート・石材など双方に使用できるものを選びます。二液性接着剤なども選択肢ですが、必ず製品の適合素材と使用方法を確認してください。
作品の底面がしっかり接地する場所を選び、端ぎりぎりを避け、硬化するまで動かないように固定します。
乾燥・硬化時間は接着剤や天候で変わります。説明書に記載された時間を守ってください。
Indoor placement
室内では、玄関棚、リビング、床の間、家族が集まる場所などがおすすめです。
置く前に、棚や台の上をきれいにする。これは「こうしなければ祟る」という話ではありません。守り神として迎えるなら、気持ちよく場所を整えて迎えたい。それくらいの感覚で十分です。
僕は、方角よりも「シーサーの顔が見えること」を大切にしています。朝出かけるとき、家へ帰ったとき、ふと目が合う。そういう距離にいるシーサーは、暮らしの中で少しずつ家族の存在になっていきます。
小さなお子さんやペットがいるご家庭では、落下しにくい安定した場所を選んでください。
Roof shisa
沖縄では、赤瓦の屋根に一体のシーサーが鎮座する風景をよく見ることができます。門柱のように必ず一対でなければならないわけではありません。
屋根のシーサーは、赤瓦文化とともに沖縄の暮らしへ根づいてきました。赤焼きの土の色が、瓦や空、時間の経過とともになじんでいく姿も魅力のひとつです。
ただし、屋根への設置は高所からの落下事故につながる可能性があります。DIYで無理をせず、屋根や瓦の構造を理解している施工業者へご相談ください。
Aging with the home
写真のシーサーは、祖父が制作した「ちぶるシーサー」です。ちぶるとは沖縄の方言で「頭」という意味です。
赤焼きのシーサーは水を吸うため、長年屋外へ置くとシミや色の変化が出てきます。
新品のままではなくなります。でも僕は、それを単なる汚れとは思いません。
シーサーに染み込んだ色は、
その家と一緒に過ごしてきた時間です。
我が家では、父が家を建てたときに祖父のシーサーを設置しました。今も家の守り神として大切にしています。
沖縄では、家を建て替えるときにも以前からいたシーサーをもう一度置くことがあります。一体のシーサーが、家族の時間をまたいで残っていく。それも僕がシーサーを好きな理由のひとつです。
釉薬のある作品は、表面の状態を見ながら、柔らかい布や水でやさしくお手入れしてください。作品によって仕上げが異なるため、強い洗剤や研磨材は避けた方が安心です。
PASSING THE GUARDIAN ON
長年家を見守ってきたシーサーが、事故や地震などで壊れてしまうこともあります。しまんちゅ工房では、修理できる状態なら修理を考え、難しい場合には、新しく迎えるシーサーへ家族の想いを「引き継ぐ」という考え方についても、お客様とお話ししてきました。
実際に、20年近く家族と暮らしたシーサーが壊れたあと、しまんちゅ工房のブログで修理や「引き継ぎ」という考え方を知り、新しい一対を迎えて門柱へ設置されたお客様もいらっしゃいます。大切なのは、形だけではなく、そこに積み重なった家族の気持ちまで大切にすることだと思っています。
Real homes, real guardians
しまんちゅ工房へ届いたお客様写真や、Instagramでご紹介してきた実際の設置例から選びました。門柱、玄関、室内、高い場所、雪のある地域まで。写真を見ると、「一つだけの正解はない」ということがよく分かります。

玄関前・花ブロック
沖縄らしい花ブロックの開口部を生かした設置例。新しく大きな台を作らなくても、建物の意匠そのものがシーサーの居場所になります。

門柱・白いシーサー
白い建物と門柱に白いシーサーを合わせた例。色を目立たせるだけでなく、建物になじませる置き方も美しく仕上がります。

室内・飾り棚
お気に入りの家具や花、思い出の品と一緒に。外へ置く場所がなくても、室内で家族の暮らしを見守る立派な守護神になります。

大阪府 O様・表札の上
昔ながらの門柱ではなく、表札・宅配ボックスと一体になった外構の上へ。県外のお客様から届いた、今の住宅で参考にしやすい屋外設置例です。

一体置き・壁付け台
壁面の小さな台へ一体で置かれた例です。屋根シーサーと同じように、一体で家を見守る置き方も沖縄の暮らしの中にあります。

門柱・庭木のそば
庭木の緑と沖縄の空、その間にブルーシーサー。周囲の景色まで含めて「ここがいい」と感じる場所を探すのも、置き方の楽しさです。

雪のある地域・屋外
雪の積もる地域から届いた設置写真です。寒冷地では凍結や積雪など沖縄とは異なる条件もあるため、設置場所や作品の状態を見ながら考えてください。

石張りの門柱
石の落ち着いた色にブルーが映える設置例。作品だけでなく、門柱の素材・色・幅との組み合わせを見ると、より自然に納まります。

大きなシーサー・門柱
玄関や道路側から距離がある場所では、店頭で見るより作品が小さく感じます。門柱や高い場所では、周囲とのバランスを見ながらサイズを選びます。

再設置・受け継ぐ守護神
建て替えや外構工事のあと、以前から家族を見守ってきたシーサーを新しい門柱へ戻すこともあります。長く一緒にいた時間ごと、次の暮らしへつないでいく置き方です。
こうして実際の写真を並べると、門柱、玄関、室内、一体置き、雪のある地域まで、本当にさまざまです。伝統を知ったうえで、その家族が「ここで見守ってほしい」と思える場所へ。しまんちゅ工房では、それがいちばん自然な置き方だと考えています。
What a guardian means
シーサーを置いたから、
何も悪いことが起きなくなる。
僕は、そうは考えていません。
人生には、思い通りにならないことがあります。病気になることも、仕事で苦しいことも、家族で悩むこともあります。
守護神とは、「何も起こらないこと」を約束する存在ではなく、何かが起きたときにも、そこを乗り越えていく私たちのそばにいる存在ではないでしょうか。
玄関で目が合う。門柱から家を見守っている。リビングの棚から家族を見ている。
その姿を見たときに、「大丈夫。今日もやろう」と思える。
僕にとって、シーサーの置き方で一番大切なのは、実はそこなのかもしれません。
このページでは、シーサーの置き方の考え方と代表的な設置例をご紹介しています。日々届くお客様の設置写真や、しまんちゅ工房が実際に設置した門柱・玄関・屋根・室内・店舗などの最新事例はInstagramで随時ご紹介しています。
守護神のいる暮らし。を、これからも。Frequently asked questions